2011/09/02(金) 17:57
野田新内閣がスタートした。《写真参照》
実務型、派閥均衡型の「背水の陣内閣」のお手並みを見守りたい。
最近の雑誌で政治指導者や国民のあり方を説いた論考を幾つか紹介したい。
山内昌之・東大教授(歴史学者)は『グッド・ガバナンスをいかに実現するか』の中で、指導者は、「自分自身を為政者だとする責任意識をもち、教養と知識を蓄え、羞恥心をもち、生活、仕事、蓄積を絶えず反省すべき存在でなければならない」
山内教授は国民自身にも問題があると言う。「国民やマスコミの多くが権力者に国民の日常感覚と家庭生活と同じ目線を求めるあまり、『選良性』を求めなくなったからこそ、菅氏のような人物が首相に就任することが許された。そこには、エリートが謙虚さを失い尊敬を受けなくなった一方、有能な人、努力した人が相応の成功報酬を受け取ることを許容しない国民の『嫉妬』がある。」と指摘している。
高安健将成蹊大学教授は『新しいゲームのルールが求められている』の中で、国会議員の資質を問うている。
「首相選出を議員に任せるのは、議員が同僚として長く首相候補の人間性、判断力、指導力を近くにいて知り、評価出来ると信頼するがゆえであり、就任1年足らず首相に幻滅する議員はみずからの判断力の欠如を公言するに等しい。」と議員に対して厳しい批判をしている。
政治に携わる者は、これらの考え方を等しく噛み締めなければならないと思う。